魔球 for i-mode あの頃のiアプリは最高の個人開発天国だった

過去開発アプリ

あの頃は良かったなぁ。もう20年以上前なんだよなぁ。

ガラケー カムバーック。

おーい。何遠い目してるよの

いやぁ。あまりにも新しく作ったアプリがダウンロードされないので、昔作ったアプリのことを思い出してね。

今日はそのアプリ「魔球 for i-mode」の話をしながら、その時代の思い出話をするよ。

アプリの説明

僕が初めて一般公開したのがiアプリ版の「魔球 for i-mode」。2001年にiアプリがスタートしたときに、当時PCで流行っていた「魔球」というゲームを作者さんの了解を得てiアプリに移植したものです。

ゲーム内容はピッチャーが投げる球をタイミング良く打つというシンプルなゲームで、難易度が上がると球速が増したり、消える魔球が登場したり。

iアプリ版もシンプルなだけどホームランを打った時の爽快感で病みつきになると結構いい評価をいただけたのでした。

公開してすぐ当時最大のアプリ紹介サイトで1か月くらいランキング1位
慌ててダウンロードページにカウンター付けたら万の単位でぐるぐる回ったな。

ふーん。珍しいこともあるものね。
移植元のゲームが良かっただけじゃないの。

まぁ、それもあるけど当時の黎明期のiアプリ市場は、個人開発者にとってすごく恵まれた環境だったんだ。

当時のiアプリ事情

当時はi-modeの全盛期。そんな中現れたのがiアプリでした。

そのころの様子をまとめると

  • メディア  
    たくさんあったi-mode紹介サイトや雑誌がiアプリを紹介
  • 市場    
    503iシリーズ発売で一気に広がる(1年で1000万台)
  • ユーザー  
    新しいアプリを試したがっている
  • 定番アプリ 
    まだそんなものは無い

今のiPhoneやandroidのアプリは飽和していて定番アプリでガチガチですが、未成熟だったiアプリ市場には大きな夢があったのです。

想像してみてください。紹介するメディアがたくさんあって、端末もバカ売れして、新しいもの好きなユーザーがアプリに飢えている状態を。

  • アプリを公開するとたくさんある紹介サイトのトップのアプリ紹介に1週間くらい載る
  • 紹介されるので最初の週は高順位になる
  • 高順位になると更にダウンロードされる

の好循環。

  • 公開しても何万とあるアプリの中で埋もれる
  • ストアでは人気アプリが上の方に表示されるので、そもそも発見すらされない
  • 涙ぐむしかない

という今のiPhoneやandroidとは大違いだったのでした。

じゃぁ、そのころはどんなもの作っても人気アプリになったのね

早いもの勝ちだったから、最初はそうだったかもね。

2日で開発

信じられないかも知れませんが、当時のiアプリの最大アプリサイズはたったの10KB。
ちょっとした画像1枚分程度のサイズです。

なので短期間で開発出来て、魔球 for i-modeの場合

水曜日:このゲーム携帯で出来たら面白そうと思いつく
木曜日:オリジナルの開発者にメール
金曜日:返事が来て喜ぶ
土日 :二日で作成して公開

という開発期間でした。

本当にアプリの少ない時期にリリースできたのが一番の成功要因でした。

そしてやつらがやってきた

そんなにダウンロードされたなら、さぞかし儲かったんでしょうね

いやぁ。それがそれほどでも無くって。当時大手が参入して来なかったのはマネタイズ(お金にする)の仕組みが無かったからでもあるんだ。

iアプリの黎明期に大手アプリ開発会社があまり積極的で無かったのは

  • マネタイズの仕組みが貧弱だった
    →モバゲーなどの独自ストアにつながっていきます
  • アプリサイズなど制約が厳しすぎて実用的なプラットフォームだと思われなかった
    →どんどんリッチになり10KBがいつの間にかメガアプリ(1000KB)に

こうして個人開発者にとっての短い春は終わりを告げるのでした。

「生きてたよ。短え夢だったなあ」ってやつね

教訓

未成熟な市場にはチャンスがある、そのチャンスを見逃すな。

今はiPhoneやandroidの安定期で、個人開発者にはつらい時代です。
でもいつか必ずゲームチェンジはおきます。乱世の時代を待ちましょう。

だけど今が平安時代や江戸時代だったら待ってる間に死んじゃうよ

ぐぬぬ

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