3Dブームの波とともに消えていった悲劇のアプリTobidale3D

過去開発アプリ

あーれーから10年も~♪

忘れら~れた~ビッグウェーブ♪

鼻歌なんて歌って気持ち悪い

あっいや、数十年に一度やってくる3Dブームと、昔作った3D画像ビューアのことを思い出していたんだ。

ふーん。それでそのアプリはブームになったの?

DL数が数万まで行ったから、結構いい感じだったよ。

何度目かの3Dブーム

 数十年に一度3Dブームが起きては消えて行きました。かくいう僕も1985年のつくば万博で3D映像に胸をときめかした少年の一人だったりします。

この話はもっと最近の2011年の話。

  • 2009年に3D映画 アバターが大ヒット
  • 2010年に3Dテレビが発売
  • 2011年に任天堂3DS発売
  • 2011年に裸眼3D液晶を搭載したスマホが発売

3Dテレビはともかく任天堂の3DSはかなり売れてこれからは3Dだという声が大きくなりました。今でいうとメタバースみたいにバラ色の未来予測がされていたのです。

「すごいね」「買っちゃった」よりも「すごいぞ」「乗り遅れるな」的な声ばかり大きいときはブームで終わ(以下略)

なぜ3Dビューアーを作ったのか

またブルーオーシャンだとか言って飛びついたんでしょ。

それもあるかな?つくば博での3Dキッズだったし。

でももう一つ理由があったんだ。

当時は裸眼3D液晶搭載スマホをシャープ、HTC、LGが出してました。
HTCが今よりメインストリームにいて、今は撤退したLGも元気だったころです。

裸眼3Dが特徴のスマホを出すのだから、ソフトの方も力が入ってると思いますよね。
3D画像ビューアーも使いやすいのが付いてくると思いますよね。

ところがこれが「ぼやぼやしてんじゃないよ」という出来だったのです。

  • ズーム処理が手抜き
  • 対応する3D画像形式が少ない
  • ネット上の3D画像を見るのが面倒

だめだめね

文句ばかり言ってても仕方ないから。無いものは作れで作ってみたんだ。

ずいぶん前向きね。

アプリの説明

そこで開発したのがTobidale3Dというアプリです。
簡単に言うと上に書いた標準アプリのちょっと足りない部分を強化した3D画像アプリです。

紹介サイトがまだ残っていたので詳細はこちらを。

ズームが手抜問題

当時の裸眼3D液晶は解像度が低くて、元画像の解像度の方が高いケースがほとんど。なのでズームする場合、元画像からデータを取り直せば、ある程度の倍率までは画質劣化無しで表示が可能でした。

ところが標準アプリでは画面サイズに画像を縮小して表示して、それをズームすると縮小画像を拡大してモザイク状になるという謎仕様。

Tobidale3Dでは、元画像から都度切り出しをしたのでズームしたときの画質劣化が標準アプリより遥かに少なかったのです。

画像形式が少ない問題

当時主な形式として

  • MPO形式(任天堂3DSも採用)
  • Side by Side(左右に画像を並べた形式)
  • 赤青(赤画像と青画像を眼鏡で見る形式)

がありました。

標準アプリがサポートしていたのはMPO形式だけ。当時流通していた3D画像で一番多かったのはSide by Side形式。標準アプリではただでさえ少ない3Dコンテンツの極一部しか見ることが出来ませんでした。

Tobidale3Dでは3つの形式をすべてサポートし、MPO以外の形式の画像をMPO形式にコンバートする機能も付けました。

ネット上のコンテンツを見るのが面倒問題

当時はネットで3D画像を公開する方法が確立されておらず、MPO形式の画像をサポートしているサーバーも少なかったのです。

なので画像共有でSide by Side画像を表示できるようにしたり、Flickrなどメジャーなサイト用には専用のサムネイル表示画面を作ったりして、少しでの多くの画像を簡単に見れるようバージョンアップの度にサポートを広げていきました。

温かい世界

当時はまだandroid自体が不安定だったり、自分で持っていない機種は実機で確認出来なかったりで、正直バグも結構あったのですが、大部分のユーザーが温かく受け止めてくれました。

アプリ評価も期待値を込めて優しい評価を頂けました。

外人さんなんかはストレートなので、「HTCは彼にテスト機を提供しろ」だとか「標準アプリを入れ替えろ」だとか「彼を社員にしろ」だとか、くすっと笑ってしまうようなコメントもあり、いいモチベーションになりました。

かつての2chで宣伝したら、まとめページにのっけてくれて、ダウンロード数がすごく伸びたのもいい思い出です。

誹謗中傷のない温かい世界で開発を進められたのは

  • 3Dに興味が無い人はそもそも近づいてこない
  • 標準アプリに対する不満と解決してもらえるのではないかという期待

と言ったところが大きかったのではないかと思います。

そしてブームは去っていった

しかし3Dブームは長くは続かず、次第にフェードアウトしていきました。

ハレとケと言いますが、3Dはハレ(非日常)で、ケ(日常)に広がるにはまだ力不足だったようです。

終わったなと思ったのはこれが発売された時でした。

でも楽しく開発できたみたいで良かったんじゃないの

そうだね。お金のかからない趣味だと考えて、老後年金もらいながら温かい世界でプログラミング出来たら幸せかなって考えることもあるよ。

そんな意識低いこと言ってると「三か月プログラミングを勉強したら年収1千万円。答えはプロフに」系の人から怒られるよ。

ぐぬぬ


最後に現在公開中の「Joty」の宣伝を。
お散歩から世界一周まですべてのおでかけ好きに贈るメモアプリ。
AIが自動でタグ付やカテゴリ分けをしてくれるんだ。

ローカル版インスタグラム+Twitter的なところもあるかな。

試してみてもらえると嬉しいな。

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